ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展
カテゴリー:art

ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展に行ってきました。
ラフォーレ原宿で開催中のシュヴァンクマイエル夫妻の大型企画展を観ました。
大規模展の名にふさわしい豊富な作品点数(資料によると200点)に驚きました。ここまでどっぷりと作品世界を堪能できる展覧会にはなかなか出会えないと思います。
まず、最初の展示室にある博物誌のオブジェに魅了されました。創造主シュヴァンクマイエルの魔術により、様々な動物の骨と剥製や鳥の羽などが絶妙なバランスで組み合わされて創り出された、見事な造形の空想動物をつぶさに観察できるしあわせ。
シュヴァンクマイエルの映像作品のイメージの断片を思わせる、膨大な量のコラージュ。そしてエヴァのダイナミックで独特の色づかいの油彩。
サブタイトルの “アリス、あるいは快楽原則” が示すように、額の中には摘出されたむきだしの欲望が飾られていて、芸術家の欲望を好奇心もあらわに眺めている観客もまた、既に作品の一部としてとり込まれているという妄想を抱く。まるで見ているこっちが見られているような居心地の悪さや不安をちくちくと肌に感じながら。しかしながら、その負の感覚も彼の作品の醍醐味かなどと考えつつ、むしろその奇妙な感覚を愉しみながらながら夫妻の軌跡を追う。
▲アリス by Jan Svankmajer 帽子屋と三月兎のお茶会シーン(02:17から)
最も感動したのは、アリス!「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」の作品がこんなにたくさん来ているなんて!これだけでも満足できるほどの充実ぶり。
有名な美しい装丁のアリス本のたくさんの原画と、映画アリスの模型や舞台装置の数々。鳥とベッドが融合した「部屋」模型の精巧さに感激。帽子屋と三月ウサギのお茶会シーンの舞台装置の大きさに驚愕。
当たり前だけど映画のシーンそのままで、私は首をちょん切られたふたりがあわてて互いの首を取り違えて体に付けてしまうところを想像しながら、丁寧に作られている装置をすみずみまで観察しました。
セットの隣の壁にはこれまた映画で見た懐かしい顔の、平面のキングとクイーンが展示されていました。
お茶会セットのほか、アリスが巨大化する家も展示されていました。(赤いとんがり帽の骨のキャラクターが屋根の上に!かわいい!)
新作の江戸川乱歩原作の「人間椅子」の原画も多数展示されていました。
触覚芸術の展示室にあった「触覚の椅子」を思わせる不気味な椅子がたくさん。乱歩とシュヴァンクマイエルは好相性だと思いました。乱歩が現代に生きていたら、多くのコラボレーション作品が生まれていたかも。
そうそう、オテサネクの切り株の子もいました。出口近くのケースの中に寝転がる、木づくりの巨大な赤んぼ。下半身の根っこがグロテスクでよろしい。
観客の自由な空想・妄想・創造力を刺激する、自由なシュヴァンクマイエルの展覧会は明日までです。行けそうな人はぜひ。
▼amz
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